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研究実施計画に基づき、昨年度と同様に次の2項目について研究を遂行した。
1)構造物周辺の地表面振動の数値解析と測定
昨年度は双設構造物を取り扱ったが、本年度は三つの構造物に対して構造物の離隔距離、配置等が地盤振動の距離減衰に及ぼす影響を調べた。また、数値計算の高速化と計算機の記憶容量の縮小化を計り、多数構造物を取り扱う手法の開発を行った。得られた成果は雑誌論文および学術講演会で発表した。
実測値による数値解析法の検証については、簡単なモデル実験を実施したが、加振力特性、振動計感度等により現有計器類のみでは良好な成果を得ることができなかった。ただ、研究の方向性は見出せたので、モデル実験に適した計器類の増強を計り、解析に近い実験条件を作り出せるモデル実験を、今後実施する予定である。
2)移動加振源による地盤振動の数値解析と測定
昨年度は数値計算法を開発したが、計算精度に関する検証が不十分であった。本年度は理論解を誘導し、数値計算法の精度等について検討した。得られた成果は、大学紀要および学術講演会で発表した。
実測調査として、一台の大型車が通過するときの振動を測定し、実測値と計算値の対応を調べ、まずまずの結果を得た。さらに、数値計算法の改良と実務問題への応用を計りたいと考えている。また、現在ウエーブレット変換を適用して、振動数特性の時間的変化を調べる研究を進めている。
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