研究概要 |
豊浦砂にナトリウムベントナイトを重量比で5%添加した人工試料を用いて湿潤突固め法で間隙比が約0.77となるように作成した直径7.5cm、高さ15cmの円柱供試体の非排水繰返し三軸試験を行い、圧密時間が長いほど、あるいは、圧密中の温度が高いほど、液状化強度が増加することを明らかにした。また、液状化過程において微小な繰返し載荷を実施し、同じ有効鉛直応力で比較した場合には、軸方向のヤング率は液状化過程のほうが等方圧密中よりも小さいことを明らかにした。 さらに、利根川河川敷の深度11.5m、N値33、細粒分含有率6%、間隙比0.75〜0.80の地盤から凍結サンプリング法で採取した試料を用いて作成した直径5cm、高さ10cmの円柱供試体の非排水繰返し三軸試験を行い、上載圧の影響を補正した換算N値と液状化強度の関係は既往の研究結果と整合するが、原位置の推定有効上載圧まで等方圧密した後で測定した軸方向ヤング率は原位置での弾性波測定結果よりも小さいことを示した。また、この試料の液状化過程における軸方向ヤング率は、前述した人工試料よりも等方圧密中からの減少量が大きくなる傾向があることを示した。 一方で、豊浦砂と霞ヶ浦砂を用いて空中落下法で間隙比がそれぞれ約0.75,役0.67となるように作成した外径10cm,内径6cm,高さ20cmの中空円筒供試体の非排水繰返しねじり試験を行い、既往の繰返し三軸試験結果と同様に、拘束圧が小さくなるほど液状化強度が増加することを明らかにした。また、低拘束圧下で一定応力振幅の繰返し中空ねじり試験を実施するためには、メンブレン張力の影響を補正しながら載荷の制御を行う必要があることを示した。
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