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1997 年度 実績報告書

傾斜した軟弱地における落石の転動機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08650579
研究種目

基盤研究(C)

研究機関愛媛大学

研究代表者

室 達朗  愛媛大学, 工学部, 教授 (00025967)

研究分担者 河原 壮一郎  愛媛大学, 工学部, 助手 (50169752)
深川 良一  立命館大学, 理工学部, 教授 (20127129)
キーワード落石 / 線運動 / モデル実験 / 土砂斜面 / 斜面勾配 / 加速度 / 等価摩擦係数 / 速度残存係数
研究概要

わが国のように傾斜地の多い山岳地帯に建設された道路は,集中豪雨や風化作用によって落石崩落の危険に曝されている。ここでは,まず落石の形状寸法および重量を考慮し,種々の傾斜角度に対する落石の転動機構をテラメカニックスの分野より明らかにすることを主たる研究目的としている。
本年度は,落石の質量,斜面構成材,斜面勾配が落石の線運動定数に及ぼす影響を定量的に解明することを目的とした。そのため,均質な斜面上の落石転動の室内モデル実験装置を製作した。本実験装置は,落石モデル,台車,土槽およびクレーンよりなる。落石モデルは,直径10cm,幅9.5cmの円柱で,質量の影響を調査するためにスチールおよびアルミニウム製である。また,斜面構成材としては,スチールおよび湿潤状態の密詰め豊浦標準砂を使用した。スチールは岩盤斜面に,豊浦標準砂は土砂斜面に相当する。スチール斜面では2.5〜5.0deg,豊浦標準砂斜面では15〜30degに斜面角度を変化させ,斜面長さ約230cmにて落石モデルを落下させる実験を実施した。その結果,以下に示す新しい知見が得られた。
1)落石の斜面方向の線運動(滑りおよび回転)は,等加速度運動である。落石の速度に比例する抵抗は,考慮しなくてよい。
2)土砂斜面上の落石の斜面方向加速度および速度残存係数(自由落下速度に対する落石の速度比)は,落石の質量が大きいほど,沈下による抵抗が増加するために減少する。岩盤斜面上では,落石の質量の影響を受けない。
3)岩盤斜面,土砂斜面に関わらず,落石の斜面方向加速度および速度残存係数は,斜面勾配が増加するつれて直線的に増加する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 室 達朗: "2軸4軸車両における走行形態と車輪幅の最適化" 第6回建設ロボットシンポジウム論文集. 147-156 (1997)

  • [文献書誌] Tatsuro Muro: "Optimal design method of a wheel travel system for special purpose and robotic vehicle operating over sloped weak sandy terrain" Proc.of the 14th Int.Symposium on Automation and Robotics in Construction. 312-319 (1997)

  • [文献書誌] Tatsuro Muro: "Comparison of the traffic performance of a two-axle four wheel drive (4WD), rear wheel drive (RWD), and front wheel drive (FWD) vehicle on loose sandy" Journal of Terramechanics. Vol.34 No.1. 37-55 (1997)

  • [文献書誌] 河原 壮一郎: "砂質土の一次元衝撃加速度に及ぼす重錘質量・落下高の影響" 第32回地盤工学会研究発表会講演集. 2243-2244 (1997)

  • [文献書誌] 河原 壮一郎: "重錘落下による砂質土の一次元締固め度と衝撃加速度の関連性" 第52回土木学会年次学術講演会講演概要集. III. 582-583 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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