本研究は国土数値情報のうち数値標高地図(DEM)を用いて、コンピュータ上に三次元地形を描き、その上にレーダ降雨を最新の動画技術AVSとVTR編集技術を用いて動画(アニメーション)表示し、これにより、様々な気象原因ならびに季節別の降雨の移動特性の、地形との関係を統計的に解析するものである。本年度は、 (1)最も地形の影響が単純な形で現れる地域として、沖縄の八重山レーダを選び、台風性、および前線性の降雨として、以下の5ケースを解析し、動画を作成した。 1990年6月5日11-18時(前線性降雨) 1990年6月9日0時-10日21時(前線性降雨) 1990年10月4日0時-6日20時(台風性降雨) 1993年6月2日2時-15時(前線性降雨) 1994年5月31日10時-6月1日5時(前線性降雨) (2)動画を元に降雨の移動盛衰に与える地形の影響を解析した。現在その結果を、地形形状(平野、山脈、山地高度、山脈からの距離、海岸線、島嶼、半島など)と関係づけるモデル化を進めている。 なお、解析のコンピュータ化を進めるため、解像度の高い動画を録画再生できるVTR装置を導入した。
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