研究概要 |
1.吉野川河口干潟の地形変動特性の検討(中野・北野) 平成8年度に実施した航空写真(1947〜1992)と衛生写真(LANDSAT-TM,1984〜1996)のデータを用いた河口砂州の変形状況の解析に加えて,河口から池田ダム(河口から約90km)までの定期横断測量データによる下流域全域の地形変動特性を調べた。 2.干潟周辺の地形変動数値シミュレーション(三井・中野) 2次元浅水流方程式,浮遊砂濃度移流拡散方程式,流砂の連続式に基づき,干潟周辺の地形変動数値シミュレーションを実施した.また,計算を行う上で重要である底質の粒度分布調査を河口から10kmの範囲で実施した。 3.河口干潟の形成維持機構に及ぼす植生の影響(岡部) 平成8年度に引き続いて,気球を用いた空撮及び陸上調査により,砂州上の植生の繁茂状況について調査し,植生分布と河状履歴との関連について調べた。また,植生模型を用いた水理実験により,植生による流砂低減機構について検討した。実験結果はk-εモデルを用いた数値計算により検証された。 4.河口干潟の維持機構に及ぼす底生動物の役割(中野・北野) 平成8年度に続いて,干潟の底生生物(特に甲殻類)の活動がもたらす底質撹乱により,底質のせん断強度が変化する状況について,現地調査を行った。また砂泥質底泥のせん断強度・移動限界に及ぼす粒度分布の影響について室内実験により,検討した。
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