研究概要 |
情報・通信技術の進歩を背景にわが国を含む先進諸国では、高度交通システム(Intelligent Transport Systems,ITS)の開発競争が繰り広げられている.本研究の目的は,ITSの実用化事例の一つである駐車場案内・誘導システムに着目し,その効果を計測できる方法を開発することにある.具体的には,平成7年2月から全面的に運用開始された松山市駐車場案内システムを例に,駐車場利用者に対する実態調査を実施し,以下の3点から駐車場情報に対するドライバーの動的な反応についてモデル分析を行う.平成8年度は,以下の点について研究を進めた. (1)駐車場情報を含む高度な交通情報やリスクに対するドライバーの評価と行動に関する研究,ネットワークの動的分析手法およびITSシステムの効果計測に関する国内外の既存研究を体系的に整理し,本研究の意義と位置付けを示したこと. (2)平成6,7年度に実施した松山市駐車場案内システムの利用者実態調査の結果を詳細に分析し,駐車場情報がドライバーに利用されるに至るプロセスを記述できる動的行動モデルの開発,および情報の種類や表示内容に対するドライバーの評価構造のモデル分析のための基礎的知見を得たこと. (3)分析の結果得られたドライバーの行動モデル(情報の有無による駐車場と経路の選択の差異を記述できる)をこれまでに開発してきた道路網・駐車場システムシミュレーションモデルのサブモデルとして組み込み,PGIシステムの効果計測手法の構築のための予備的研究を行ったこと.
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