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1996 年度 実績報告書

群衆の歩行交通の調査分析と流動シミュレータの開発

研究課題

研究課題/領域番号 08650631
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東洋大学

研究代表者

尾崎 晴男  東洋大学, 工学部, 講師 (30204184)

キーワードpedestrian flow / capacity / simulation
研究概要

1.本研究は,混雑した状況下における歩行者交通を対象とし,多数の歩行者の流動データを収集・分析した結果を基に,群衆の形で移動する歩行者の流動シミュレータを開発することを目的としている.
2.本年度は対象を階段の歩行者流動にしぼった調査・分析を行った.駅構内の階段部において歩行者交通流の観測を実施し,観測に好適な視点場が得られた新橋駅について,長期間のビデオ撮影を行った.撮影されたビデオ映像を基に歩行者交通流の交通容量の定量的な分析を試みた.
3.まず,撮影場所を検討したところ,列車の到着によって大きな歩行者の需要が発生する現象は,橋上駅構造の多い首都圏の駅では,プラットホームから下り方向の交通流の観測が容易である.しかしながら,プラットホームから上り方向の階段交通流の良好な観測場所が見いだせなかった.上り方向の観測は来年度の課題としたい.
4.新橋駅における下り方向の交通流の計測・分析においては,階段部に利用者が殺到し,歩行交通流が容量状態に達して安定してからの時間帯を対象とした.新橋駅における計測の結果,これまで米国等で報告されていた値よりも高い交通容量が観測された.また,渋滞列が長時間継続する状態では,次第に階段利用の歩行者交通容量が低下する傾向が見受けられた.
5.上記の現象は,自動車交通流において,渋滞列が長くなるほど,あるいは渋滞に巻き込まれた時間が長くなるほど,ボトルネックの最大通過交通量(交通容量)が徐々に低下する事実に類似したものである.今回観測された知見は,自動車交通流,歩行者交通流の違いはあるが,人間が渋滞列に遭遇した際に示す行動の特徴として,非常に興味深い結果である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 尾崎晴男: "一方向歩行者流の交通容量" 土木学会第51回年次学術講演会概要集. 4. 186-187 (1996)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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