研究概要 |
螺旋糸巻状の連続繊維補強材の付着性能を実験を通して定量化することが本研究の目的である。螺旋糸巻には2種類の方法を提案した。すなわち、第1の方法は、径10mmの連続繊維補強芯材の節部に相当するものとして4400g/kmあるいは2200g/kmの芯材と同一の材料からなる連続繊維を螺旋状に巻付け、いわゆる凸型の異形ロッドとしたものである。第2の方法は、径8mmの芯材の外側を芯材と同一方向に配置した厚さ1mmの連続繊維で被覆し、これに細糸で螺旋状に一定間隔の凹みを与えて異形ロッドとしたものである。今後前者を凸型、後者を凹型と呼ぶことにする。これら2種のタイプについて、繊維種類(炭素、ガラス)、節間隔(6,10,15)を実験変数とした標準引き抜き付着試験を行った。実験結果を要約すると、以下の通りである。 (1)凸型試験体では螺旋状の節が芯材から剥離することで付着が限界に達し、付着強度は異形鉄筋のばあいの45%にとどまった。 (2)これにたいして凹型試験体では芯材と被覆材ガ一体となって付着抵抗し、コンクリートと被覆材の境界面の滑りの発生によって付着が限界に達した。付着強度は150kg/cm^2程度で異形鉄筋と同等であった。 (3)凹型試験体では節間隔が長くなるほど付着強度は小さくなる。ガラスと炭素を比べると、ガラスの方が付着強度は高い。
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