研究課題/領域番号 |
08650687
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
鈴木 有 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90027235)
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研究分担者 |
後藤 正美 金沢工業大学, 工学部, 助手 (40170469)
北浦 勝 金沢大学, 工学部, 教授 (70026269)
田中 光 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70064441)
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キーワード | 兵庫県南部地震 / 災害抑制要因 / 時空間連関構造 / 地域連帯 / 自然共生 / 木造住宅 / 伝統構法 / 耐震診断 |
研究概要 |
1.高密化した巨大都市を直下の地震が襲い、戦後未曾有の大震災となった兵庫県南部地震を主な対象に、被害の発生を防ぎ、拡大を抑え、復旧を早め、復興の水準を高めた具体的事例を、その逆の事例及び地震後の社会的対処に影響を与えた事例とともに拾い出し、対比的視点から抑制要因を抽出した。 2.抽出された具体的事例と抑制要因を、「土木施設」と「自然共生」の分野、「建築物」と「先行投資」の分野、「建築・地域計画」と「事前準備」の分野、及び「社会システム」と「地域連帯」の分野に分類した。 3.平時から発災と応急対応を経て、復旧と復興に至る時間軸と、個人と世帯から地域や企業に広がり、自治体から国家に至る社会階層の空間軸を持つ構造の中で、抑制要因群を中心に体系化し、被災と対処の社会システムの連関構造を、プラス評価の側面から明らかにした。 4.社会環境と被災の条件に配慮しつつ、(3)の結果を普遍化し、以上の成果を社会階層が時系列上でとるべき防災対策指針への提言として集約した。 5.最終的には、現段階で有効な防災対策指針を具体化するために、木造住宅とその居住環境の防災性能向上をターゲットとした。その結果、既存の木造住宅群を対象とした「地域の伝統構法を持つ在来木造住宅の耐震診断・改修指針とその解説」、及びこれから新築される木造住宅群を対象とした「高耐震住宅基準」の2つのマニュアルを作成した。これらはいずれも建築士・大工・施工現場管理者・施主・居住者の利用を前提として、建築構造の耐震化にとどまらず、自然共生・地域連帯に配慮した居住環境の改善をも提案した内容になっている。
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