前年度までに、コンクリートの劣化に大きく関係する熱水分挙動を推定する数学的なモデルを確立し、続いて高温の履歴までの温度範囲をカバーするためのモデルの修正を加え、実際に数値解析する為の手法(ソフトウェアを含む)の開発を実施した。本年度は、前年度までに構築された解析手法を実際のコンクリートの挙動評価に適用する為に、実際のコンクリートの材料定数などの側面から解析モデルの同定と修正を行った。同時に塩化物含有濃度の移動モデルの組み込みを試みた。以上により、実際のコンクリート構造物における、温度、水分環境による時間変化を定量的に予測可能とする具体的な方法論の確立の一助とした。 <以上、研究代表者担当> 解析的検討に併せ、前年度までに、解析の際の基本的なパラメータを得るための透水試験をについて、小型で種々の環境条件下での実験を可能とする装置を試作したが、本年度は、その方法を検証・改良し、実際に透水試験を行い、基礎データを得ることを試みた。その結果、従来一般的に用いられる大型の装置により得られる結果と同等の結果を、小型・ローコストで実施できる可能性を見いだした。また、実際の構造物からサンプリングした試験片による試験の可能性を裏付けた。 <以上、研究代表者および分担者が共同で担当>
|