(1)雰囲気の豊かな照明環境という視点から照明手法に対する提案を行っている過去の研究事例を収集し、基礎資料とした。 (2)暗さを基調として部分照明などにより効果的な照明環境を作り出している事例の収集および調査を行い、後半の実空間での被験者実験のセッティングのための基礎資料を作成した。 (3)照明デザイナ-や建築家が実際に設計した照明空間に対してユーザーとの間にトラブルや意見の相違が生じた事例を調査し、デザイナ-のねらいとユーザーとの意識のずれを分析した。 (4)暗さを重視した照明空間に対してどのようなイメージ・意識を持っているのか、一般居住者・ユーザー、専門家を対象にしたアンケート調査およびインタビュー調査を行った。一般的な多変量解析に加えて、当研究室で提案しているコンジョイント分析やAHP法(階層分析法)を応用した手法により分析した。 (5)実大の大きさの空間を設定し、その中で暗さを基調として様々な局所照明を用いた照明環境を設定し実際の生活空間を想定させ、被験者に暗さ感と及び快適性を評価させた。「暗さ感」の指標抽出のための空間照度・輝度分布との対応、「暗さ」に対するイメージと実空間における心理評価の差とその理由を検討した。 (6)人間に快適感を与える「暗さ」および雰囲気のある照明環境の解明に向けての基礎データを導出した。
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