オランダの大都市アムステルダムやロッテルダムの公共都市型集合住宅は、既成市街地立地、中空型街区の沿道配置形式、用途複合型、中層高蜜インフィル型形式を特色としている。容積率は、敷地あたりのネットで概算300パーセントを最大にしている。これらの特徴は、わが国の大都市既成市街地の住宅・住宅地の将来にとって、基本的な要件に該当している。また、 そこで、アムステルダムデ、近年(1994年)供給された、都市型集合住宅を対象に、集合住宅の立地特性、建築計画特性を分析した。中世期に形成されたアムステルダムの都心は、中層建築でありながら、見掛けの建坪率は100パーセントに及ぶように見える。アムステルダム駅から11キロ圏に既成市街地が連担しており都心圏から徐々に中空の外部空間が増加していく。中心から外縁部にいくにつれ容積が減少するとともに、住宅形式(住戸およびその集合形式)が変化していく、こうした関係は、ヨーロッパの都市の街区とそこでの建築の秩序である。 研究成果は、第一にアムステルダムを中心に、街区の容積や規模の構造を、類型化したことであり、第二に得られた類型ごとに、対応する住宅形式が存在することを明らかにしたことである。さらに第三に、当初の研究目的であった住戸・住棟の建築計画について計測を行い、解析をおこなって、特性を類型化した。
|