実態把握を行うための調査対象を、全国のシルバ-ハウジングの中でも居住者の住要求調査を踏まえて先進的で質の高い住宅供給を行ってきている愛知県内の県営と市営のシルバ-ハウジングに設定した。調査時において居住者が入居した後に1年以上を経過している9団地、すべてのシルバ-ハウジングの入居者180世帯を調査対象として実施した。この調査対象数は、分析に充分耐える量と判断している。 高齢者の入居者に対して、直接各住戸を訪問し、生活実態と住宅内容に対する評価を調査した。身体状況や食事・くつろぎ・寝具の使用状況など住生活の様子についての実態と、日常生活する上で感じている評価とを聞きとりによって収集した。また、生活と住空間との相互関係を分析するデータを取得するために、住み方の実態と家具配置の実態についての詳細な採取も戸別に実施している。写真撮影も併用した記録を行った。調査実施においては、学生による補助を得ながら、設定した課題以外の住要求や問題点も発掘しながら入念に行った。 本年度は調査実施と整理・分析を始めた段階にある。次年度には分析を進める予定である。
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