| 研究概要 |
本年度の研究計画は,研究テーマに関する資料の悉皆調査と「日本インターナショナル建築会」に関する調査であった。
調査は,1920年代,30年代の主要建築雑誌に掲載された記事中,近代建築運動に関連するものを抽出し,さらにその中に言及される西洋の近代建築の動向や思想を収集することを基本方針として行った。まず予備調査として『日本近代建築・土木・住宅雑誌目次総覧』によって関連記事をリストアップし,次に本調査として所蔵元で原本を通覧調査した。調査対象は次の各誌である。『建築新潮』『建築世界』『建築画報』『国際建築時潮』『国際建築』『新建築』『建築時潮』『日本インターナショナル建築』『建築と社会』。また,この作業で得られた基礎データ(記事名,執筆者名,言及項目,併載図版の内容,所蔵機関)をデータベース化した。以上の調査によって,1920年代および1930年代初頭の日本の近代建築運動における西洋近代主義建築思想の受容を検討するための基礎的データが収集できた。
前述の調査の結果,「日本インターナショナル建築会」については雑誌掲載記事には関連資料は少なかったため,同会メンバーの著書の調査やメンバーが関係した機関に対するインタビュー調査を行っている。これらは来年度も継続する予定である。
|
