今年度は、昨年実施した福島県の会津高田町永井野地区での調査をさらに補足し、史料の分析および遺構調査について軒数を増やして行った。具体的には、同地区の「文政寅年以来諸商売方之義二付永井之村より申出候廉々御尋付答書」から、農家が町屋化する過程を拾い上げ、遺構調査の成果と比較検討するとともに、変化の過程を実証的に検討した。 その成果を踏まえて、本年度はまとめの年度として、科研研究の3年間の成果を3本の研究論文としてとりまとめた。内、2本については98年度中に関係の研究雑誌に掲載され、残る一本については目下執筆中である。同時に、特に会津高田町永井野地区における調査研究の成果は重要と考えたので、98年度の建築学会(近畿支部並びに全国大会)へ口頭発表を行った(研究成果については、研究発表の欄を参照のこと)。
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