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1997 年度 実績報告書

日本古代における中下級貴族の住空間に関する史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08650756
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福井大学

研究代表者

藤田 勝也  福井大学, 工学部, 助教授 (80202290)

キーワード貴族住宅 / 古代 / 都市
研究概要

本研究の目的は、古代における中下級貴族住宅の実態解明である。とくに以下の3点を具体的な課題として設定した。すなわち、(1)<立地性>貴族住宅が都市住宅として有する都市性の内実の解明、(2)<階層性>貴族社会内部における階層性による、住宅の実態と住居観の相違の解明、(3)<社会・文化性>中世武家住宅との関連性の解明、の3点である。
(1)は、中下級貴族が都市と地方に住居を構えたことから、彼らの住宅を考察対象とすることによって、立地による差異を明確化できると想定したもの。(2)は比較的研究が進展している上級貴族住宅との比較検討を想定したもの。さらに(3)は、地方官としての中下級貴族が在地領主としての武家と密接に関わったことに着目して問題設定したものである。
平成8年度(初年度)は、(2)をとりあげ、考察対象として透渡殿に注目した。透渡殿は中下級貴族住宅には全く確認できず、また上級貴族の住宅でも時代の経過にともなって消滅してゆく傾向にあって、上級貴族と中下級貴族層の住居観の相違を如実に示す建物であった。その変遷の過程を跡づけることによって、南庭を臨む南面一帯に住宅のハレ的側面を造形するという、上級貴族特有の住居観の一端が解明できた。
平成9年度(本年度)は(1)の都市性の内実の解明に焦点を当てた。院御所においては文芸や芸能といった遊興のための空間として、邸の北面が大きな役割を担っていたこと、またそこでは世俗的な身分差に囚われない新しい空間が生成されつつあったことを解明した。その事実から、上級貴族の住宅が都市社会全体の縮図としての側面を有する存在であったところに、都市住宅としての独自性が見いだせることを明らかにした。
平成10年度(最終年度)は前年度の視点を中下級貴族住宅に転回して考察し、また冒頭で列記した課題の(3)についてもあわせて考察することによって、中下級貴族住宅の全体像の構築を目指したいと考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 藤田勝也 他: "世界の都市と建築ー都市・建築史研究の最先端から" 近代都市基盤施設研究会事務局, 30 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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