研究概要 |
本研究は、高圧下で窒化硼素(BN)の融解実験を行い、融解曲線はじめ液体の電気抵抗などの物性を調べることが目的である。加熱速度の制御、ヒーターおよび炉壁材料と試料構成の選択により再現性良くBNを融解させることが出来た。温度測定は、(1)マーカー法:ヒーターの電力とW-Re熱電対から見積もられる温度の外挿値を既知の高融点物質Al_2O_3,MgO等の融解温度で補正する、(2)光学的計測法:炉内のBNに接して置いたグラファイト薄片の光のスペクトルをアンビルを通じて光ファイバーで採集し、輻射公式から計算する方法で行った。六方晶窒化硼素(h-BN)の融解温度は、2.4GPaの約2900℃から圧力とともに上昇し、5.4GPaで約3700℃で最大を経た後6.9GPaで約3400℃に減少する傾向にあり、グラファイトと同様に融点極大を示す。また、BNを直接充填したヒーターの電気抵抗変化から液体BNは、液体炭素と異なり金属ではない事が示された。
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