研究課題/領域番号 |
08650804
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
千葉 晶彦 岩手大学, 工学部, 助教授 (00197617)
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研究分担者 |
高橋 正氣 岩手大学, 工学部, 教授 (50003851)
李 星国 岩手大学, 工学部, 助教授 (50270799)
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キーワード | 金属間化合物 / IrAl系金属間化合物 / 超高温強度材料 |
研究概要 |
1300℃以上の高温領域で使用可能な耐酸化性および高温強度に優れたIrAl基金属間化合物の開発を目的として、Ir_<1-x>Ni_xAl金属間化合物の高温強度を調べ以下の項目を明らかにした。本研究ではNiの添加量を多くして(X=0.9)、IrAlと同じ結晶構造を有するNiAlの高温強度がIr添加によって高温強度が改善される機構に重点を置いて検討を行った。その結果 (1)NiAlにIrを5mol%程度添加することで、クリープ強度が2桁上昇する。 (2)Ni_<0.9>Ir_<0.1>Alの高温クリープ特性は温度及び応力依存性を示す。低温側1273K以下では、内部応力≒クリープ変形応力、であり応力指数は約4以上になり内部応力支配のクリープ機構となる。一方1273K以上では、低応力側では、変形応力にしめる有効応力成分と内部応力成分ほぼ等しくなるが、高応力になるほど内部応力成分が増す。 (3)以上の結果は、NiAlのNi原子サイトを占有するIrの原子半径がNiのそれに比して著しく大きく、原子サイズの違いにより形成されるIrの弾性応力場と、NiAl中に形成され易い刃状転位の応力場との相互作用(Cottrel-Jaswon)に起因する転位の溶質元素引きずり抵抗(τd)の大きさの変化によって説明される。 (4)従来τdはAl-Mg系のようなfcc合金では有効応力成分に寄与すると考えられているが、NiAlの様な金属間化合物においては内部応力成分に寄与することが本研究によって明らかにされた。本研究によって得られた知見は、IrNiAl系金属間化合物の実用化にとって有用である。
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