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1996 年度 実績報告書

分子軌道計算に基づいて評価したニッケル基合金の高温腐食特性

研究課題

研究課題/領域番号 08650815
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋大学

研究代表者

村田 純教  名古屋大学, 工学部, 助教授 (10144213)

キーワードニッケル基合金 / 高温耐食性 / 分子軌道計算
研究概要

ニッケル基超合金の高温腐食特性の基本的な理解と、耐高温腐食性の目安となる基本的なパラメータを得る目的で、今年度は仮想的な合金クラスターを用いてDV-Xα分子軌道計算を行った。用いたクラスターは、塩素に対する合金効果を調べるために用いたNaClを乗せたニッケル合金クラスター、およびSO_4に対する合金元素の効果調べるために用いたイオウ(S)と酸素(O)の化合物を付着させたニッケル合金クラスターである。それぞれのクラスターにおいて、ニッケル合金中の一つのニッケル(Ni)を3d,4d,5d遷移金属元素(M)と置換して、合金効果を調べた。その結果、以下のことが示唆された。
(1)3d遷移金属柱、チタン、クロムは塩素と強い結合を示した。M-Niとの結合次数と、M-Clとの結合次数との比、Bo(M-Cl)/Bo(Ni-M)を採った結果、塩素に対して有効な合金元素は、鉄、コバルト、銅であることが示唆された。この結果は酸素ポテンシャルが低く、ハロゲンイオンの影響の強い環境下で、クロム量の少ない合金、B1900、がクロムの多いIN738より優れた耐食性を示すという実験結果と一致している。
(2)酸素とイオウを含むクラスターでは、遷移金属元素とイオウとの相互作用は小さく、むしろイオウが酸素と強く相互作用する結果、遷移金属を含むニッケル酸化物の安定性が変化し、結果としてニッケル合金の耐食性に影響するものと考えられた。計算では、SO_4に対する有効合金元素はCr、Mo、Reであることが示唆された。これは、最近、ごみ焼却プラント用材料で行われた実験の結果と一致している。
これら今年度の計算結果を基に、今後、金属酸化物の安定性に対するハロゲン元素やイオウの影響という観点から、さらに計算と実証実験をすすめる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 村田純教、森永正彦: "分子軌道法に基づく耐高温腐食と高温強度に優れたNi基単結晶超合金の設計" 材料とプロセス. 9巻6号. 1202-1205 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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