研究課題/領域番号 |
08650818
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高島 和希 熊本大学, 工学部, 助教授 (60163193)
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研究分担者 |
安藤 新二 熊本大学, 工学部, 助手 (40222781)
頓田 英機 熊本大学, 工学部, 教授 (90040386)
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キーワード | 複合材料 / Ti合金 / SiC繊維 / 疲労 / 損傷 / き裂 / 材料評価 / 内部摩擦 |
研究概要 |
金属基繊維強化複合材料は、次世代の宇宙・航空用材料として期待されているが、実用化に際しては、破壊、疲労特性の評価と非破壊的な損傷評価法の確立が重要と考えられる。本研究では、SiC繊維強化Ti合金に対して曲げ試験により繰り返し負荷を与えたときの損傷の進展過程を調べるとともにその評価法についても検討した。試料には、SiC連続繊維で一方向に強化したTi-6Al-4V合金を用いた。この複合材料パネル材(厚さ2mm、積層数8、繊維体積率35%)より試験片を切り出し、4点曲げによって、一定振幅の繰返し荷重を与えた。試験条件としては、応力比0.1、荷重繰り返し周波数10Hz、試験環境は室温大気中とした。複合材中に発生した損傷は、最大負荷応力(σ_<max>)の値に依存して変化した。σ_<max>が0.5σ_B以上では繊維の破断が支配的であった。これは、この応力レベル以上では、繊維にかかる応力が繊維の破断応力を超えるために繊維の破断が先に生じ、それに伴う応力集中のために隣接した繊維が破断するためと考えられる。これに対して、σ_<max>が0.35σ_B以下では、マトリックス中のき裂進展が主たる損傷となった。これは、試料の端部から疲労き裂が発生しても、繊維にかかる荷重が繊維の破断荷重以下になるため、繊維破断は起こらずマトリックス中をき裂が伝播するためである。また、σ_<max>が0.35〜0.5σ_Bの範囲では、ブリッジングが生じた領域で、繊維の破断も認められた。これは、負荷荷重が大きくなると、き裂先端から遠い箇所の繊維にかかる荷重が増大し、破断荷重を超えたためと考えられる。すべての試験において、内部摩擦と損傷部におけるき裂(損傷)密度との間には相関関係が認められた。このことは、内部摩擦から損傷の程度ならびに寿命を推定することが可能なことを示しており、定期点検等に対して有効な損傷評価法として適用できることを強く示唆している。
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