研究概要 |
(1)Al-Sn合金とチタンの拡散接合 大気中でチタンとAl,Al-0.5mass%Sn,Al-0.5Sn-1X(X:Cu,Mg,Zn,Ti,Si,Bi,Cr,Mn,Ni)との接合を行った。良好な接合条件として、接合温度:873K、圧力2MPa、時間:3.6ksが得られた。また、AlへのSnとの複合添加元素としてMgが有効であることが分かった。この場合、せん断破壊強度として、Al-0.5Sn-1Mgの母材の値にほぼ等しい60MPaが得られた。接合温度に関しては、773Kでもそれなりの良好な結果が得られる。なお、接合部に薄いAl_3Tiの金属間化合物が形成された。 (2)Al-Sn合金と鋼の拡散接合 大気中で鋼(SM41B)とAl-0.5Sn系合金の拡散接合を行った。良好な接合条件として873K-2MPa-1.8ksが得られた。またAlへのSnとの複合添加元素として約1%のMgが有効であることが分かった。この場合、約50MPaのせん断破壊強度が得られた。また、接合部に厚さ約40μmのFe_2Al_5及び20μmのFeAl_3の金属間化合物が形成された。 (3)Al-0.5Sn系合金をインサートメタルとした鋼とチタンの拡散接合 インサートメタルとして厚さ0.5mmのAl-0.5Sn及びAl-0.5Sn-1Mgを使用し、鋼とチタンの拡散接合を大気中で行った。良好な接合条件として、接合温度:873K,接合時間:3.6ksが得られた。圧力については、前者のメタルで2MPa,後者では6MPaであった。ともに約50MPaのせん断破壊強度が得られた。接合部にAl_3Ti,Fe_2Al_5,FeAl_3の金属間化合物が形成され、また約100μmのインサートメタルが残存する。 以上、新液相拡散接合法によるチタンクラッド鋼板の作製のめどがたった。今後、本方法により、より工業的方法の開発をめざす。
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