研究概要 |
超高真空-原子間力顕微鏡(UHV-AFM,現有)を用いて,固-液ぬえ境界の表面原子配列に対しAFM計測を行った.代表的なぬれ形態を示す材料の組み合わせに対し計測を行い,原子間結合状態分析の観点からそれを分類する.さらに分子動力学的観点から,ぬれの駆動力の大きさを評価し,電子論的に表すことを試みた. AFM計測では,チップと試料間の相互作用を十分に理解していかなければ,測定結果を意味あるモノにできないことがわかっている.まず,超高真空-原子間力顕微鏡(UHV-AFM,現有)のデータの解釈として,連続体力学の固体間接触理論を用いた.フォースカーブの解釈から,試料表面形状に関するナノスケールの情報が得られた. 試料としては,従来から知られている特徴的なぬれ形態を示す組み合わせを用いた.界面の化学結合状態に関しては,収束イオンビームで電子カスケードの少ない試料を作製し,走査型マイクロオージェ電子分光装置で情報を得た.電子論の観点から適応性(適応範囲)を吟味したインターアトミックポテンシャルを用い,分子動力学の手法でぬれの駆動力などミクロの物理量を推定した.以上の結果を踏まえ,ぬれの駆動力について,新たなモデルを提案した.また,実験的にそれらが物理的に意味のある物であることを示した.
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