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1996 年度 実績報告書

発泡金属の固相製造プロセスにおける微細セル構造形成過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08650850
研究種目

基盤研究(C)

研究機関徳島大学

研究代表者

多田 吉宏  徳島大学, 工学部, 助教授 (10136210)

キーワード発泡金属 / メタリックフォーム / セル状構造 / 粉末冶金 / 多孔率 / 発泡剤
研究概要

セル状構造を有するアルミニウムフォームは,靱性・耐熱性・断熱性・耐候性・制振性などの諸特性を兼ね備えた軽量で剛性の高い構造材料/機能材料として期待される素材である.本研究では,従来からの製造法すなわち増粘処理した溶湯中に発泡剤を撹拌混入してフォームを得る液相法の課題であるセル構造の不均一さと製造工程の制御の困難さを克服するため,粉末冶金法に基づく新しいプロセスによる発泡特性の把握と微細セル構造の制御法の検討を進めている.本プロセスの特徴は発泡剤の混合工程と解離工程とを分離することによって各工程の制御性あるいは再現性が格段に改善される点にあり,(1)混合工程では金属水素化物から成る粉末状の発泡剤と母材粉末とを均一に混合した後これを押出しすることにより発泡剤が密封状態で微細均一に分散した真密度の固化材とし,(2)解離工程では固化材を発泡剤の解離温度以上の温度域に加熱することによって解離ガスを発生させ,この圧力による膨張を利用してセル構造のフォームが得られる.
本法による基礎的な発泡特性とセル構造形成条件を検討し,以下の知見を得た.
1.加熱温度は発泡特性に非常に大きな影響を及ぼす.70%に達する高い多孔率のアルミニウムフォームは加熱温度を母材の液相線温度以上の温度域に設定することによって得られた.加熱条件の内,昇温速度および高温での保持時間が発泡特性に及ぼす影響は比較的小さい.
2.自由発泡によるフォームは不規則なオープンポアから成り,通常巨視的なバルジ変形を伴う.
3.拘束発泡ではフォームへの形状賦与と表面性状の改善を同時に達成でき,多孔率も顕著に向上する.このときの組織は球に近い形状のクローズドポアを主体とするセル構造である.
今後,さらにセル構造の解析とその形成過程の検討を進める予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 多田吉宏・酒巻政央: "粉末冶金法によるアルミニウムフォームの発泡特性" 体末粉末冶金協会講演論文集. H8秋季. 53-53 (1996)

  • [文献書誌] 多田吉宏・酒巻政央: "粉末冶金法によるアルミニウムフォームの発泡特性" 粉体および粉末冶金. 44巻・4号(印刷中). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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