アルミニウム電極上にスパッタ法によるバリアメタルを介さないでオールウェットプロセスでバンプ形成を試みた。アルミニウムは、次亜リン酸の酸化反応に対して触媒性が無いので、先ず、アルミニウム上にニッケルを置換析出させなければならない。フッ化水素酸及び酸性フッ化アンモニウム溶液でアルミニウム処理をすると表面の酸化膜は除去され、活性なアルミニウムが露出する。更に次工程で溶存酸素濃度を0.1ppm以下に抑制しながら水洗し、即座に無電解ニッケル浴に浸漬することにより、反応初期に次亜リン酸の酸化反応に触媒性をもつニッケルが置換析出する。このニッケルの初期核形成反応は、後続の無電解ニッケルめっきによるバンプ作製に対して、平滑性、密着性に大きく影響を及ぼす。そこで、無電解ニッケルめっきの初期析出反応をin-situに測定及びモニタリングできるセルを作製し、LED光を反応面に照射し初期の析出反応に伴う電圧変化を測定することにより、リアルタイムに反応過程を追跡した。その結果、反応誘導期、初期無電解析出過程、変曲域を介して、次いで定常的に反応が進行することを確認した。このようにして、初期反応の過程と前処理及び、めっき液の関係を調べ、その結果に基づいて、マイクロバンプの作製を試みたところ、極めてレジストとの追従性に優れたマイクロバンプ(一辺20μm、高さ20μm)を得ることができた。
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