研究概要 |
窒素と水素の混合ガス雰囲気中で鋼板と二硫化モリブデンを対向して平行に置き,ホローカソード放電を利用して,鋼板をプラズマ窒化すると同時に,二硫化モリブデンをスパッタリングにより付け,鋼板を浸硫窒化した。断面の組織の観察,X線分析,硬度測定により調べた結果,550℃,3hの処理で400μmの窒素拡散層ち4μmの硫化物層が表面に形成していることがわかった。また,表面から測定した硬さは鋼板と二硫化モリブデンの間隔によって異なるが,640から830の間であった。プラズマ浸硫窒化した鋼板の表面硬さが従来の溶融塩法により浸硫窒化した低炭素鋼の表面硬さより高くなっている。これは,窒化鉄層が薄く,かつ窒化鉄そうにモリブデンが含まれるためとかんがえられる。
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