普通スパッタリングは0.02Torr以下のイオンをターゲットに衝突させターゲットから原子を飛散させる方法で行われてきた。スパッタリングについてのはこれまでの研究より、10-1Torr程度の高圧下でも鋼やターゲットはスパッタリングされることがわかった。そこで、二硫化モリブデンおよびクロム等をターゲットとして用い、窒素と水素の混合ガス雰囲気中でSCM435鋼をイオン窒化すると同時に、ターゲットをスパンzツタさせ、鋼を浸硫窒化したり、クロムの影響を調べたりした。得られた表面改質層についてSEMによる観察、RDXおよびESCAによる分析、硬さの測定等を行なった。その結果、このような高圧下でもスパッタはおこり、ターゲットに用いた元素が対向する試料に到達し、試料の表面に10μm程度の化合物層と数100μm程度の拡散層をつくることがわかった。
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