炭化鉄は鉄スクラップ代替の新鉄源として製鉄業界特に電炉業界への利用が期待されているが、本研究では、新合成プロセスによって製造した炭化鉄の溶鋼への吹き込み溶解試験を行い、炭化鉄の製鉄分野への今後の利用拡大等を見極めることを目的とした。 平成8年度に以下の結果を得た。 1.高品質炭化鉄(Fe_3C組成、6.7mass%C、粒径0.1〜1mm)は本研究者によって発明された新製造原理に基づき、鉄鉱石を流動層にて所定の反応ガスと高温反応させて作製したものを使用した。 2.誘導炉にて溶鋼(約30kg)表面へ炭化鉄粒子を不活性ガスと共に吹き付け、溶解速度、溶鋼中成分(炭素、硫黄、窒素など)や排ガス中成分変化等を調査した。これらの結果より、今後溶解機構等を明らかにしていく。 平成9年度には前年度の結果を基に、溶解反応挙動等をさらに詳細に検討すると共に物質、熱収支、経済性の観点より炭化鉄利用製鉄プロセスの総合評価を行い、今後の利用拡大を予測する。全体的な研究の取りまとめ、学会発表等を行う。
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