純Al粉末と純Ti粉末およびミリング助剤(メタノール、ブタノール、ベンゼンあるいはキシレン)の混合物をボールミリングして、AlおよびC含有量の異なるいくつかのTi/Al/C複合粉末を作製した。このCは、分解したミリング助剤に起因する。これらの複合粉末を減圧プラズマ溶射すると、プラズマ中で粉末は溶融して液滴となり、基材に衝突して扁平化し、急速凝固する。この過程が次々に生じてバルク皮膜が形成される。次に示す2通りの基材冷却条件で溶射を行った。 1.溶射中に基材を低温度に保った場合: バルク皮膜には、扁平粒子内部のマイクロクラックや、扁平粒子界面の未結合部などの欠陥が多く含まれる。主構成相は、Cが過飽和に固溶した非平衡Ti_3Al(α2)相である。1273K以上での熱処理で、非平衡相は分解してTi_2AlC炭化物が微細に析出し、マトリックスは組成によってTiAl(γ)単相あるいは(α2+γ)2相となる。また、材料内部の欠陥は熱処理によって減少する。炭化物の体積分率は粉末組成によって約4%〜19%である。 2.溶射中に基材温度を1000K〜1300Kに高めた場合: 溶射したままのバルク皮膜は平衡相から成る。これをhot-pressとすると微細なTi_2AlCが分散したほとんど欠陥のない材料が得られる。室温および1073Kでの圧縮試験では、マトリックスが(α2+γ)2相でTi_2AlCを約5vol.%含む材料が最も優れた強度と靭性をす。
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