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1996 年度 実績報告書

鋳鉄切屑を再利用した鋼材のハードフェーシング

研究課題

研究課題/領域番号 08650874
研究種目

基盤研究(C)

研究機関長崎大学

研究代表者

香川 明男  長崎大学, 工学部, 助教授 (00093401)

キーワード鉄・クロム炭化物 / ハードフェーシング / 耐摩耗性 / レーザ溶解 / ねずみ鋳鉄 / 球状黒鉛鋳鉄
研究概要

M_7C_3型クロム炭化物は融液から単体として直接得られる特異な金属間化合物であり、高硬度に加えて鉄基板との優れた密着性が期待できることから、鉄基合金基板へのハードフェーシング材としての応用を検討した。ねずみ鋳鉄および球状黒鉛鋳鉄の研削切屑に成分調整用にクロム粉と黒鉛粉を所定量混合した。粒度100メシュ以下にふるい分けた混合粉末にアルコールを加えてペースト状にしたものを鉄基板上に塗布し、表面を出力1KWのレーザ光を走査して溶解凝固させた。レーザ処理試料断面の表層近傍の組織はクロム濃度により異なり、40%Crおよび50%Cr組成ではM_7C_3型とM_3C型のクロム炭化物の混合組織であり、クロム濃度が高いほど、M_7C_3型クロム炭化物の割合が多くなった。一方、60%Crのお組成では、ほぼM_7C_3型クロム炭化物単層となり、比較的均一なセル状の組織となった。炭化物層の硬さは1500〜2000HVで、クロム濃度の増加とともに硬さは増大した。また、ねずみ鋳鉄切屑と球状黒鉛鋳鉄切屑での明瞭な違いはみられなかった。これらのハードフェーシング層の耐摩耗試験を改良型ピン-ディスクタイプの乾式摩耗試験機を用い、荷重0.2MPa、摩耗速度1.5m/sの条件で粒度80μmのSiC研磨紙を相手材として行った。摩耗曲線は初期に幾分大きくなり、その後緩やかな上昇を示した。M_7C_3型とM_3C型のクロム炭化物の混合組織を有する40%Crと50%Crの試料は比較的大きな摩耗速度を示し、ねずみ鋳鉄切屑と球状黒鉛鋳鉄切屑での明瞭な違いはみられなかったが、ほぼM_7C_3型クロム炭化物単層の組織を有する60%Crのハードフェーシング層は40%Crと50%Crの試料に比べ、ほぼ半分近い小さな摩耗速度を示し、優れた耐摩耗性を示した。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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