本研究の鉱石中のりん酸化物を還元し、気体のりんとして除去できるかどうかを検討することを目的とした。 市販のFe_2O_3に同じく市販のP_2O_5を拡散させ試料とした。この粉末試料をCO-CO_2混合ガスで還元した。パラメータは酸素分圧(すなわちCO-CO_2の混合比)あるいは混合ガスの流量とした。試料をC粉末と混合させてCOで還元することも試みた。1mass%のりん含有率の試料でも、約30%の脱りん率を達成できた。脱りん速度と時間の関係はりん濃度に対する見かけの一次反応として整理できた。みかけの反応速度定数の温度依存性はアレニウスの式で記述できた。還元ガスの酸素ポテンシャルが酸化鉄から金属鉄を生成するような領域では、脱りんが進行しないことがわかった。この研究結果は、製鋼スラグからの脱りんにも適用できることを明らかにした。 以上の成果を日本学術振興会製銑第54委員会に報告し批判を受けた。
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