研究概要 |
Nd-Fe-B系永久磁石を対向設置して形成された磁場中での回転液中紡糸を行った.Sn_<74.8>Pb_<25.2>,Sn_<68.7>Pb_<24.3>Bi_7,Cu_<68.1>Zn_<31.9>,Cu_<90>Sn_<10>,Cu_<85>Sn_<15>,Cu_<96>Be_4,Cu_<90>Be_<10>,Cu_<77.3>Be_<22.7>,Cu_<96>Al_4,Al_<92>Cu_8,Al_<97>Be_3 at%合金および純Al.を用いて紡糸実験を行った.直径0.05mmの石英ガラスノズルを用いて,Sn-PbおよびSn-Pb-Bi溶融合金ジェットを噴射することができた.ジェットに通電することによって発生する電磁気力によって,溶融ジェット流を能動的に制御できた.ドラム半径方向への電磁気力を作用させた状態でのジェット軌跡を評価するための数学モデルを構築した.ジェット軌跡の計算値は観察結果と良く一致した.アルミニウムジェットは回転液体表面でジャンプしやすいが,ドラム半径方向への電磁気力によってジャンプを抑制できた.しかしながら,電磁気力の増大に伴い,回転液層へのジェットの入射角のみが増大するだけで,ジェットを液層深く沈めることは困難であった.Cu_<90>Be_<10>合金ジェットの急冷促進をジェットの冷却過程のコンピュータシミュレーションと,得られたワイヤのデンドライト2次アーム間隔の計測とにより調べた.ジェットの冷却速度は電磁気力の増大に伴い増加したが,アモルファス細線は得られなかった.通電電流が800mAあるいはそれ以上の場合では,ジュール熱の増大によりジェットの急冷は阻害された.回転液層内ではドラム回転数の増大に伴い,ドラム底から液層表面に向かう2次流れが発達し,この2次流れが液層中でのジェットの揺らぎに大きな影響を及ぼすものと考えられた.
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