研究概要 |
フロン類の無害化処理に関し、触媒を用いる接触分解の方法により、CH_3OH共存下で極めて穏和な分解条件(300℃,1atm.)で分解することを見つけたことから、その実用化を目的として、触媒の組み合わせ、共存させるCH_3OH量について検討し、中型分解装置による触媒活性の持続性について調べた。さらに、自動分解装置のシステム化の構築について検討した。 (1)触媒として,FeCl_3(FeF_3)/CuCl_2/Active-Carbon系が有効であり、主触媒のFeCl_3(FeF_3)と助触媒のCuCl_2との割合が1/2(mole ratio)の場合、触媒活性の持続性に最高値を示す。 (2)フロン類に共存させるアルコール量はフロン化合物に含まれる塩素原子(Cl)の数と化学量論的に等molの場合、触媒活性の持続性に有効である。 (3)FeCl_3/CuCl_2/Active-Carbon(0.75mol/0.75mol/600g)系触媒800gを用いCFC-113の分解を行った結果、60時間、95%以上の分解率を維持することが確認された。この場合のCFC-113の分解量は100g/Hである。 (4)ガスクロマトグラフィーを用いた原料および分解生成物の自動測定を実現したことから、分解装置の自動システム化の構築を完成した。 フロン類の処理に関し、本報告の触媒を用いる接触分解の方法で得られた結果は、実用化に対し、有効なものと期待出来る。処理量に関しても、本報告では単管の反応管を用いたが、多管式の反応管を用いれば、その量を飛躍的に増大させることが可能である。
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