研究概要 |
1.マンガンカタラーゼ遺伝子解析 マンガンカタラーゼの909塩基よりなる構造遺伝子のほか、大腸菌プロモーターならびにSD配列と類似の構造を含む上流386塩基、タ-ミネーター構造らしい部分を含む下流部分の102塩基の配列を最終的に決定して国際学会で発表した。この構造遺伝子塩基配列から推定された302残基のアミノ酸配列は、最近報告された乳酸菌のマンガンカタラーゼのアミノ酸配列と、相同性は34%に過ぎなかったが、4カ所について部分的に相同性の高い箇所があり、この部分からマンガン対イオンを含む活性部位の構造を推定した。 2.マンガンカタラーゼの大腸菌における発現 構造遺伝子部分のみを大腸菌の高発現プラズミドに組み込み、大腸菌で当該酵素の発現を試みたところ、外来遺伝子発現タンパク質がインクルージョンボデイとして得られた。これを塩酸グアニジンで変性可溶化後、マンガンイオンを加えて透析する事によって、可溶画分にカタラーゼ活性が認められた。この活性はアジドによる阻害度がヘムカタラーゼよりも低いこと、N末アミノ酸配列、サブユニット分子量、オリゴマー分子量、Vmax,KM値が好熱菌精製マンガンカタラーゼのものと一致することなどから、マンガンカタラーゼ遺伝子の発現タンパク質であることを確認した。
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