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1997 年度 実績報告書

バイオアフィニティ差を利用する分子信号応答型酵素分子リアクターの設計

研究課題

研究課題/領域番号 08650947
研究機関岡山大学

研究代表者

篠原 寛明  岡山大学, 工学部, 助教授 (60178887)

キーワードバイオアフィニティ / 分子応答 / 酵素活性制御 / 合成補酵素 / アポ酵素 / インテリジェント分子素子 / リガンドアナログ修飾酵素 / ビオチン
研究概要

環境に応じて機能を発現するインテリジェント材料の開発が望まれている。本研究ではアロステリック酵素の活性制御機構を模擬して、特定分子に応答して活性がON-OFF制御される酵素分子リアクターの設計を目的とした。このためビオチン結合タンパク質アビジンを調節部位のモデルと見立て、ビオチンアナログを化学修飾した酵素分子を触媒部位のモデルとして用いて両者のアフィニティ結合によりビオチン分子に応答して活性を発現する酵素分子リアクターシステムを構築しようと考えた。昨年度には、ビオチンアナログであるHABA(ヒドロキシベンゼンアゾ安息香酸)で化学修飾したβ-ガラクトシダーゼを調製し、アビジン共存下と非共存下でHABA酸修飾酵素の活性を測定比較し、複合体形成により活性が60%近くまで抑制され、ビオチンの添加によりその活性をほぼ100%近くに回復できることを示した。本年度はさらに活性の大きな変化の制御を実現することを目指して、酵素蛋白質の活性部位近くにビオチンやそのアナログ分子を修飾をすることを考えた。そこでスペーサーを介してビオチン修飾した酸化還元補酵素を化学合成し、その後酸化還元酵素であるD-アミノ酸オキシダーゼのアポ酵素と再構成させることによって活性型酵素を得ることに成功した。この酵素では触媒部位にスペーサーを介してビオチン分子が化学結合しているため、アビジン蛋白質の添加を行うと、複合体形成により酵素活性部位が明らかにブロックされ、酵素活性は、初期の30%以下にまで抑制されることが明らかとなった。現在、ビオチン分子の添加による活性回復についての検討を進めている。本年度はさらにビオチンやHABAで修飾した蛋白質とアビジン蛋白質との特異結合やその解離を原子間力顕微鏡で観察することに成功した。またビオチン添加に伴う複合体の解離の特性を蛍光標識剤を用いて蛍光測定法により解析することも行った。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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