研究課題/領域番号 |
08650951
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
野原 大輔 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (60080214)
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研究分担者 |
栗本 英治 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (90234575)
黒田 良孝 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (40080204)
酒井 朝也 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (00080169)
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キーワード | タンパク質 / リフォールディング / 固定化法 |
研究概要 |
(1) Streptomyces griseus 由来のトリプシン(SGT)を固定化すべき酵素として採用した。アガロースゲル(CNBr-activated Sepharose 4B)にSGTを固定化し、ジチオスレイトール(DTT)およびグアニジン塩酸塩(GdmCl)で変性還元後、これをリフォールディングさせた。この変性還元・再生操作を繰り返すたびに固定化SGTの活性回復率は減少していき、以前行ったsubtilisin BPN'やthermolysinの場合のように定量的なりリフォールディングができなかった。アガロースゲルの代わりにガラスビーズ(controlled pore glass:CPG)を用いてSGTを固定化し同様の変性還元・再生操作を行うと、定量的リフォールディングが可能となり、リフォールディング溶媒の定量的評価に使えることとなった。定量的リフォールディングのできる固定化プレパレーションはオートリシスやアグリゲーションといった分子間相互作用を排除でき、そのタンパク質特有のリフォールディングに対して有効な溶媒が選定でき、リフォールディングの機構解明にとっても大切である。 (2) ベンザミジンによるSGTの阻害関係を調べた結果、Ki値は10^<-4>M程度であった。 (3) SGTにベンザミジンを働かせた状態でのSGTの固定化では、アガロースゲルへの固定化において、保持活性を約20%上昇させることができた。 (4) 固定化ベンザミジンをSGTのリフォールディング系に共存させた場合、タンパク質濃度が0.25mg/mlのとき、非共存の場合と比べて5割程度リフォールディング収率が上昇した。 (5) とくに、固定化ベンザミジンをSGTのリフォールディング系に共存させて収率が大幅に上昇したことは、カラム操作などによる念願の連続的フォールディング系の設計が可能となったと思われる。
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