研究課題/領域番号 |
08650955
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北九州工業高等専門学校 |
研究代表者 |
畑中 千秋 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 教授 (80180884)
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研究分担者 |
後藤 宗治 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 助手 (40259966)
井出 俊輔 北九州工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (10041550)
原口 俊秀 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 教授 (00038598)
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キーワード | 食器化学工学 / 酵素的エステル化 / リパーゼ / 糖脂肪酸エステル / 糖アルコール / 脂肪酸 |
研究概要 |
アスペルギルス由来のリパーゼを用い、糖としてエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、イノシトール、リボース、グリコース等を用い、これらとオレイン酸とのエステル合成反応を行った。その結果、キシリトールの場合が最も高い反応率を与え、ほぼ80%が達成された。また、ソルビトール、エリスリトール、マンニトールの場合でも反応系の水分濃度を3000〜6000ppm程度にコントロールすることによって反応率を高めることが可能となった。すなわち、酵素的エステル合成反応はオレイン酸と糖水溶液との油水界面において進行し、反応系の水分濃度を減少させることによって糖の界面濃度が高まり、反応速度が大きくなると同時に平衡がエステル側に傾くことによって高い反応率が得られることがわかった。更に、イノシトール、リボース、グルコース等の環状構造を有する糖ではエステル化が困難であった。これらのことからエステル反応率は油水界面の糖吸着量に依存しており、この吸着量は界面の糖濃度と糖の種類によって定まる吸着平衡定数に密接に相関することが明らかとなった。この反応率は糖のオレイン酸に対するモル比によっても影響を受け、糖のモル比の増大によって反応率が低下するが、これは反応場である油水界面において糖の結晶化が起こり、これに起因して反応がそれ以上進まなくなるためと考えられた。 エステル合成に多大な影響を及ぼす反応系の水についてDSCにより解析した所、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール等の反応率の高い反応系において-33℃付近に束縛水のピークが確認され、この束縛水が酵素によるエステル合成に大きな影響を与えることが明らかとなった。更に、反応生成物はGPCによって分取後NMRによる解析の結果、糖エステルであることを確認した。
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