研究概要 |
細胞は複雑な生命体であり、様々な機能を持っている。これらの機能へのアプローチとして、一細胞の取り扱いと内液の分離分析を行い、細胞から直接的な情報を得ることを目的とする。 細胞の表面は負の電荷をもっており、細胞を静電場に置くと細胞は自らの負電荷より電気移動度を得、陽極へ向かって泳動する。これを利用し(I)細胞を電気移動度によりキャピラリー管中へ導入し、(II)細胞膜をラプチャーさせる試薬を導入し、一細胞をキャピラリー管内でラプチャーさせて、その後(III)そのキャピラリー管を用いて一細胞内液の分離分析を行った。 第一の目標として一細胞内液の分離分析に適合できる顕微鏡下でのミクロ分離分析システムの確立(ミクロな導入システム、電気化学的微少電極を用いる検知システム,ショートなカラム)した。システム自体は改良の余地はあるもののほぼ確立できた。 第二の目標である細胞への適用については、神経芽細胞を用いてその内液中のカテコールアミン類について検討した。 第三の目標としてヒト赤血球への適用の基礎実験を行った。 細胞の取り扱いに電場を用いる工夫と、ミクロなシステムによるシングルセルの挙動(細胞一個の電気移動度や赤血球内のヘモグロビンの変化)、セル内液中の若干の成分分析が達成でき、細胞の情報として一個の細胞レベルから得た。
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