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1997 年度 実績報告書

スピンプローブ法と分子動力学法を併用した有機薄膜中の分子運動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08650971
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京工業大学

研究代表者

菅 耕作  東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (90016642)

研究分担者 櫻井 実  東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (50162342)
キーワードLangmuir Blodgett膜 / 相分離 / 電子スピン共鳴 / スピンプローブ法 / ドキシルステアリン酸 / 分子動力学法 / スペクトルシミュレーション
研究概要

本研究は、スピンプローブ法を中心とする電子スピン共鳴(ESR)法の優れた特徴を利用するとともに、近年進歩の著しい分子動力学法によるコンピューターシミュレーションをESRスペクトルの線形解析に利用することにより、有機薄膜中の分子の空間規則性や分子運動に関する詳しい知見を得るための新しい手法の発展と確立を目的とするものである。
今年度は昨年度に引き続き主に以下の2つの点についての研究を進めてきた。
1.スピンプローブ分子を含む混合LB膜の相分離状態と分子運動の解明
昨年度から引き続きスピンプローブ法を用いたLB膜中の分子運動の研究を進める中で、メチレン鎖の異なる炭素位置に安定な常磁性基を持つ5-,10-,16-ドキシルステアリン酸とフルオロカーボン鎖を持つカルボン酸であるパ-フルオロデカン酸(PFDA)または部分的にフッ素化されたエーテル結合を含むメチレン鎖を持つカルボン酸であるPFECAとの混合LB膜が、以外にもドキシル基の位置によっては相分離しないことを見いだした。この事実はフルオロカーボン鎖の中に溶解したこれらのプローブ分子のESRスペクトルから、これまであまり研究されていないフルオロカーボン鎖を持つ両親媒性分子の分子運動に関する知見が得られる可能性が開けてきたと考えられる。そこで今年度はこのようなプローブ分子を含む混合LB膜の相分離状態が、プローブ部位の位置の違いによってどのような影響を受けるのかに注目して研究を進めてきた。その結果、プローブ部位の位置が親水基に近いほど相分離を起こしにくなることが明らかとなった。現在、フルオロカーボン鎖の中に溶解したプローブ分子のESRスペクトルから、フルオロカーボン鎖の分子運動についての検討を進めている。
2.分子動力学法による有機薄膜中の分子運動のシミュレーションとESR線形解析法の確立。
現在分子動力学法によるこのような系のプログラムについては既存のプログラムの改良を行っている。また、シミュレーションの結果からスピンプローブの配向の時間変化を求め、ESRスペクトルの線形を計算するプログラムの開発を並行して進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 菅 耕作: "Phase Separation of Mixed LB Films Containing Spin Probe Molecules" Thin Solid Films. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 菅 耕作: "Effect of Various Cations on the Acidity of p-Sulfonatocalixarenes." Supramolecular Science. 5(印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 櫻井 実: "A Theoretical Study of Intermolecular Interaction at the Lipid-Water Interface. I Quantum Chemical Analysis Using a Reaction Field Theory" J.Phys.Chem.B. 101. 4810-4816 (1997)

  • [文献書誌] 櫻井 実: "A Theoretical Study of Intermolecular Interaction at the Lipid-Water Interface. II Analysis Based on the Poisson-Boltzmann Equation" J.Phys.Chem.B. 101. 4817-4825 (1997)

  • [文献書誌] 櫻井 実: "Density Functional Study ofthe Radical Reactions of 3-methyl-1-phenyl-2-pyrazolin-5-one" Bull.Chem.Soc.Jpn.70. 847-858 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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