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1996 年度 実績報告書

磁場中に置かれた導電性高分子の分子コイルによる誘導電流

研究課題

研究課題/領域番号 08650974
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福井大学

研究代表者

VOROTYNTSEV Mikhai A.  福井大学, 工学部, 教授 (70281029)

研究分担者 BAARS Antoni  福井大学, 工学部, 助手 (90273002)
青木 幸一  福井大学, 工学部, 教授 (80142264)
キーワード導電性高分子 / メモリー効果 / ヒステリシス / 磁場効果 / ポリアニリン膜 / 磁気誘導電流 / サイクリックボルタンメトリー
研究概要

この研究の目的は電極表面上での電子伝導性高分子膜の充電に関する“メモリー効果"の理論を確立することである。電位ステップ法と線形掃引ボルタンメトリーに関連した二つの異なる問題を調べている。
1.電位ステップ法
電極電位を正の値にステップすると、完全に電荷を取り除いた膜の中では荷電粒子の境界濃度が急激に増加する。膜の不均一性に因って電荷輸送係数、移動度、拡散係数はパーコレーションの特性をもつ。すなわち濃度が閾値を超えたときだけ、これらの物理量はゼロではなくなる。もし境界濃度がこの値よりも大きいならば、濃度変化が境界から広がっていく。その先端部ではパーコレーション特性を持つ物理量は0から閾値の値までジャンプし、“拡散を表わす尾"を伴う。その伝播速度は摂動強度の増加関数である。
これらすべての特性は導電性高分子膜の充電中に観測されるものと同一である。しかし上の“パーコレーション拡散"モデルでは先端の変位が時間の平方根に比例するのに対し、この場合は一定速度で伝播する。もしイオン輸送がかなりのオーム電位降下をもつ対イオンによって起こっていれば、理論的予測はかなり実験値に近づくはずである。
線形ボルタンメトリー
膜を正または0の電荷を持ちうる正方格子上の不連続な要素の集まりとして表わし、モデル化した。初期状態は十分負な電位がかかっており、全サイト上で電荷を0と仮定した。正方向への電位を掃印すると電極表面に接した要素が徐々に帯電し、次々と隣の要素を帯電させていく。
重大な新しい特徴はエネルギーの不均一性にある。すなわち要素の標準酸化還元電位の散らばりである。そのため充電中に閾値付近で鋭いピークを生じるパーコレーションの特性が現れる。
新しい要素の充電速度の有限性と電極電位の依存性を考慮に入れることによりサイクリックボルタンメトリーの実験データの解釈に成功した。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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