研究概要 |
1.ハニカム型(コルゲ-ド型)フィルターの検討 炭化の際の変形を抑制するために、フェノール系レジン(フェノライト;大日本インキ化学)の0〜40%エタノール溶液に浸漬ののち炭化する方法について検討した。形状は濃度20%以上で保持されることがわかった。1100℃、保持時間1秒の条件で3万パルスのCVIを行ったところ、障子紙(壁厚;55μm)、市販ダンボール(同;20μm)及びワットマンNo.41ろ紙(同;100μm)のコルゲート成形体の圧縮強度はそれぞれ10.2、3.5及び13.2MPa、また、1m/sの空気流にたいする圧力損失はそれぞれ30、18及び32Paであり、ろ紙がやや緻密に過ぎるほかはフィルターとして適当と考えられた。 2.脱脂綿炭化物からの厚膜フィルターの検討 脱脂綿炭化物の成形圧を0.64g/cm^2とし、1100℃、保持時間1秒の条件で1万、2万及び5万パルスのCVIを行ったところ、平均細孔径はそれぞれ45,37及び31μmで、1万及び3万パルス後の空孔率はそれぞれ95%及び89%であった。1000℃での空気酸化では基質炭素が30時間後に2万パルス処理品で42%、5万パルス処理品で50%残存していた。酸化後の第二段階CVIを7万パルス行うと曲げ強度は15MPaに達した。 3.ろ紙粉からの厚膜フィルターの検討 ろ紙粉を2〜3%のゴム糊を含む熱水中で分散させたのち、円柱状に成形、炭化し、1100℃、保持時間0.6秒の条件でCVIを行った。初期空孔率は93%であった。1万及び3万パルス後の空孔率はそれぞれ88%及び77%、平均孔径はそれぞれ17.3及び12.5μm、曲げ強度はそれぞれ1.5及び6.2MPa、また、2m/sの空気流にたいする圧力損失はそれぞれ8及び18kPaで、フィルターとして適当であることを確認した。
|