研究概要 |
(1)5員環及び6員環ホスホニウムイリドを用いるセスキテルペン骨格の合成(分担:藤本) 本申請人らは既に反応基質として共役エノン類を拡張して環状リンイリドとアリル・エンエステル、アリル・チオエステル等との反応を行った後、クライゼン転移、酸化、還元等の処理を行うことにより、縮合環系ラクトンの合成に成功した。さらに、本反応の経路、選択性について、本申請で購入したCACheワークシステム(ソフトウェアー)によるMopac(PM3)計算を用いて理論的に解明し、その経路が熱力学制御の反応であることを明らかにした。なお、これらの一部は本年3月末に開催の日本化学会年次大会で発表予定である。また、計算結果については、学会誌に投稿準備中である。 (2)含窒素環状リンイリドの合成と利用に関する研究(分担:山本) 環状リンイリドのα位またはβ位に窒素原子を導入した環状アザイリドは、α,α^1位に反応性の異なった活性点を付与することが出来る。そこで、これら環状アザイリドとa-ジケトンとの反応を行い、ジヒドロピリジン、テトラヒドロアゼピン等の複素環の簡便合成法を確立した。
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