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1996 年度 実績報告書

パラジウムカチオン錯体触媒によるヘテロDiels-Alder型新規環化付加反応

研究課題

研究課題/領域番号 08651015
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

大井 秀一  東北大学, 工学部, 講師 (00241547)

キーワードパラジウム錯体 / ヘテロDiels-Alder反応
研究概要

従来カルボニル化合物とジエン類とのヘテロDiels-Alder反応は,活性化された基質を用いる必要があり,単純なジエンとアルデヒドとの環化付加反応は困難とされていたが,カチオン性のパラジウム錯体を触媒として用いることにより,この反応が温和な条件で効率よく進行することを見い出した.イソプレン,2, 3-ジメチルブタジエンなどの内部(2あるいは3位)にメチル基を有するジエンと芳香族あるいは脂肪族アルデヒドとの反応は,クロロホルム中,2mol%のパラジウム錯体([Pd (dppp) (PhCN)_2] (BF_4)_2等)存在下,50℃,20時間程度で効率よく進行し,対応する付加体を良い収率で与えた.反応は位置選択的であり,いずれの場合も単一の生成物のみが得られた.一方,trans-2-メチル-1, 3-ペンタジエンなどのトランス体のジエンを用いても,生成物はシス,トランス体の混合物となり,反応は立体選択的には進行しなかった.本反応において,パラジウム錯体はルイス酸としてアルデヒドを活性化しているものと現段階では推定している.この場合,反応が協奏的に進行する場合と,イオン性の中間体を経て段階的に進行する場合とが考えられるが,本反応においてはジエンの構造と反応性および生成物の立体化学との関係から後者の経路で反応が進行しているものと推測している.本反応を用いることにより,アルキル基のみで置換された5, 6-ジヒドロ-2H-ピラン類の一段階の合成経路が確立されることになると期待される.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shuichi Oi: "Cationic palladium (II) Complex-Catalyzed Hetero Diels-Alder Reaction of Dienes with Aldehydes" Tetrahedron Letters. Vol. 37 No. 35. 6351-6354 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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