1.フェニル基上のパラ位にボロン酸残基(1)、ジイソプロビルアミノメチル基(2)などを有するフェニルアセチレンモノマーを合成し、ロジウム触媒を用いた重合を行い、シス-トランソイド構造を有するポリフェニルアセチレン誘導体を高収率で得た。 2.1.で得られた種々の官能基を有するポリマーをアルカリ水溶液あるいはTHFなどの有機溶媒に溶かし、Poly-1については光学活性な糖、アルコール存在下、poly-2については光学活性なカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸存在下、CDスペクトルを測定した。ボロン酸残基をパラ位に有するポリフェニルアセチレン誘導体(poly-1)は、水溶液中、アミノアルコール、ジアミン、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ジオールなどの光学活性体およびグルコースやガラクトース、マンノース、アラビノースなどの単糖、マルトースやセロビオース、ラクトース、スクロースなどの二糖、コール酸やデオキシトール酸等のステロイド存在下、誘起CDを長波長領域に示すことがわかった。様々の天然化合物を含む光学活性化合物のキラリティー識別の新規なプローブとして有用であると思われる。一方、側鎖にジイソプロピルアミノメチル基を有するpoly-2は、光学活性なカルボン酸やマンデル酸等のヒドロキシカルボン酸存在下、長波長領域に誘起CDを示した。
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