• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 研究成果報告書概要

リビングカオチン重合における成長鎖の研究とリビングポリマーの合成法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 08651056
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 高分子合成
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

東村 敏延  滋賀県立大学, 工学部, 教授 (20025860)

研究分担者 金岡 鍾局  滋賀県立大学, 工学部, 講師 (10275167)
研究期間 (年度) 1996 – 1997
キーワードリビングカチオン重合 / カチオン重合 / リビング重合 / 成長鎖 / 遊離イオン成長鎖 / イソブチルビニルエーテル / p-t-ブトキシスチレン
研究概要

1.目的-これまでリビングカチオン重合は,成長炭素カチオンが対イオンにより安定化されるため可能と考えられてきた。この重合をさらに一般化するため,遊離イオン成長鎖によるリビング重合の可能性を検討した。
2.イソブチルビニルエーテル(IBVE)の遊離イオン成長鎖によるリビング重合-IBVEをHCl-IBVE付加体(1)/ZnCl_2系開始剤により,種々の溶媒中,-78℃で重合した。C_6H_5CH_3,CH_2Cl_2,EtNO_2/CH_2Cl_2(1/1 v/v)と溶媒の極性が増加するにつれて重合速度は著しく増大した。しかし,生成ポリマーの分子量は溶媒の極性とは無関係に,重合率に比例して増加し,開始剤1分子からポリマー1分子が生成したとする計算値と一致し,分子量分布も狭い(Mw/Mn〜1.1)ものであった。また,重合の終了した系に新しくモノマーを添加しても同様に重合し,極性溶媒中でもリビングカチオン重合が可能なことが明らかになった。
一方,生成ポリマーの立体構造から,極性溶媒中では,対イオンに影響されない解離した成長鎖(遊離イオン成長鎖)で成長していることが示され,遊離イオン成長鎖によるリビングカチオン重合の例が初めて見出された。
3.p-t-ブトキシスチレン(tBOS)の遊離イオン成長鎖によるリビング重合-ビニルエーテル以外のモノマーの遊離イオン成長鎖によるリビングカチオン重合の可能性を確認するため,カチオン重合性の大きいスチレン誘導体であるtBOSについて,IBVEと同じ条件で重合を行った。tBOSでは-15℃と比較的高温でも,IBVEと同様に遊離イオン成長鎖によりリビング重合が可能なことが示された。
まとめ-遊離イオン成長鎖によるリビングカチオン重合が可能なことが見出され,これによって,より広い反応条件で多くのモノマーのリビング重合が可能になった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] S.Kanaoka, M.Sawamoto, and T.Higashimura: "The Propagating Species in Living Cationic Polymerization:Living Nature and Steric Structure of Polymers" Macromol.Symp.(掲載予定).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] M.Sawamoto and T.Higashimura: "Macromolecular Design of Polymeric Materials" Marcel Dekker,Inc.,K.Hatada,T.Kitayama,and O.Vogl,Ed., 33-50 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] S.Kanaoka, M.Sawamoto, and T.Higashimura: "The Propagating Species in Living Cationic Polymerization : Living Nature and Steric Structure of Polymers" Macromol.Symp.(in press).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] M.Sawamoto and T.Higashimura: Living Cationic Polymerization : Design of Polymerization and Macromolecular Structure in "Macromolecular Design of Polymeric Materials". Marcel Dekker, Inc., 33-55 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 1999-03-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi