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1997 年度 実績報告書

動的光散乱法による高分子液晶の強い相関相互作用と液晶ゲル形成過程についての解析

研究課題

研究課題/領域番号 08651063
研究機関東北大学

研究代表者

及川 英俊  東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (60134061)

研究分担者 中西 八郎  東北大学, 反応化学研究所, 教授 (50240651)
キーワードポリ(γ-ベンジルL-グルタメート) / 高分子液晶 / 動的光散乱 / 高分子液晶ゲル / ゾル-ゲル転移 / 自己相関関数 / 協同拡散定数 / 散乱スペクトル
研究概要

合成ポリペプチドは液晶相形成能を有し,高分子液晶と呼ばれるが,ある条件下では流動性を失い,ゲル化する.本研究では動的光散乱法を用いて,ポリ(γ-ベンジルL-グルタメート)(PBLG)-トルエン系における濃度揺らぎに基づく拡散定数の精密な測定から,前年度においては,準平衡的な高分子液晶ゲルの形成・会合過程を明らかにした.引き続き本年度(最終年度)では,クエンチ操作による非平衡的なゾル-ゲル転移の挙動とその会合ゲル構造を明らかにしたので,以下に述べる.
PBLGの希薄及び準希薄溶液をクエンチ操作により,ゾル-ゲル転移を起こさせ,散乱光強度の時間分解測定を各散乱角で行なった.その結果,
1.散乱光強度クエンチ後の時間経過に対して指数関数的に増加し,Gahnの線形理論に基づく解析から,スピノ-ダル分解過程に従う相分離過程が進行したことが始めて明かとなった.この結果,スピノ-ダル温度,バイノ-ダル温度を各溶液濃度に対して決定できた.
2.また,散乱光強度の時間分解パターン現われたピークから,濃度揺らぎに基づく最大特性波長を求めることができた.
3.さらに,散乱光強度の時間分解パターンの散乱ベクトル依存性からフラクラル次元および相関長を求めた結果,溶液濃度の増加とともに,密なゲル構造を反映し,フラクラル次元の増加,相関長の減少が見られた.相関長は先の最大特性波長より小さい値となった.
以上の2年間の研究成果から高分子液晶ゲル形成過程とそのダイナミクスのかなりの部分が明らかとなった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Oikawa: "Spinodal Decomposition and Gel Structure of Quenched Poly(γ-Benzyl L-Glutamate)-Toluene Solutions" J.Macromol.Sci.Phys.B36. 487-501 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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