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1996 年度 実績報告書

高分子表面で規制される色素分子の光化学的な配向制御

研究課題

研究課題/領域番号 08651069
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京工業大学

研究代表者

市村 國宏  東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (90232412)

研究分担者 林 ゆう子  東京工業大学, 資源化学研究所, 教務職員 (30218599)
キーワードアゾベンゼン / 薄膜 / 直線偏光 / 二色性 / 再配向 / 原子間力顕微鏡 / 偏光顕微分光 / リオトロピック相
研究概要

アゾベンゼンを側鎖に有するメタクリル系高分子の薄膜に直線偏光を照射したのち、ビスアゾ系の水溶性色素の水溶液を塗布、乾燥すると、色素分子は偏光照射軸によって規制されて方向に配向することがわかっている。今年度はこの色素配向膜の形態学的な観察を主として行い、次のことが明らかとなった。
1)側鎖にアゾベンゼン基を有する高分子薄膜に直線偏光照射することによって、アゾベンゼン基が再配向し、その遷移モーメントは偏光軸に直交する方向に優先的に並ぶことが確認された。この偏光照射した高分子膜上に色素配向膜を形成し、各種顕微鏡によって表面形態を観察した。偏光顕微鏡によって色素分子の配向方向は偏光軸に平行となること、原子間力顕微鏡および走査型電子顕微鏡観察から色素膜は微細な繊維状物質の集合体であること、さらに、クレーター状の欠陥が存在することが認められた。
2)スポット径が1μmの偏光顕微分光光度計を用いて、配向色素膜の微小領域における配向度と配向方向を詳細に調べた。その結果、クレーター状の凹部には色素がほとんど存在せず、また、色素分子の配向はきわめて低いこと、微小領域における色素分子の配向度は非常に高いが、部分によって配向方向に乱れがあること、などが明らかとなった。
3)色素水溶液を偏光顕微鏡によって観察した結果、高濃度領域でリオトロピック相をとることが見いだされた。これから、色素分子の配向はリオトロピック相を経ていることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Ichimura,M.Momose,K.Kudo: "Surface-assisted formation of anisotropic dye molecular films" Thin Solid Films. 284/285. 557-560 (1996)

  • [文献書誌] K.Ichimura,Y.Akita,Y.Hayashi: "Role of E/Z photoisomerization of cinnamate side chains attached to polymer backbones in the alignment photoregulation of nematic liquid crystals," Jpn.J.Appl.Phys.35. L996-L999 (1996)

  • [文献書誌] K.Ichimura: "Surface-assisted photoregulation of molecular assemblage as commander-soldier molecular systems" Supramol.Sci.3. 67-82 (1996)

  • [文献書誌] H.Akiyama,K.Kudo,K.Ichimura: "Liquid crystal alignment regulation using photocrosslinkable polymers with azide residues" J.Photopolym.Sci.Technol.9. 49-52 (1996)

  • [文献書誌] 市村國宏: "季刊総説・有機フォトクロミズムの化学" 学会出版センター, 13 (1996)

  • [文献書誌] K.Ichimura: "Polymers as Electrooptical and Photooptical Active Media" (Springer), 35 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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