研究概要 |
ゲル形成能を持つ電解質多塘として、既に分子構造の解析が行われているジエランガムを選び、その精製法を検討した。ジエランガムはD-グルコース、D-グルクロン酸、D-グルコース、L-ラムノースを繰り返し単位とする直鎖状高分子である。本年度の研究で、ジエランガムを粉砕時間を210分から30分までかえて6種の試料を作製した。それぞれの試料の0・1%水溶液を105Cで10時間加熱溶解後ろ過し、粉砕時に混入した金属粉を除いた。その後、60Cでナトリウムイオンに置換したイオン交換樹脂カラム(アンバーライト120B)を通し更に凍結乾燥を行い試料を回収することにより、試料中の不要なイオンが除き、ナトリウム型の精製試料を作製した。作製試料を50mM,NaCl水溶液に溶解し、40°Cで浸透圧測定を行い、数平均分子量を求めた。得られた分子量は6万から1万に渡り、粉砕により分子の主鎖が切れ、異なった分子量の試料が作製されたことが知られた。また、これら試料溶液の浸透圧第二ビリアル係数はほぼ一致した値であり、イオン間の相互作用を示すものと考えられた。以上の結果についてはRept.Prog.Polym.Phys.Japanに投稿準備中である。作戦試料は分子量分布が広いと考えられるので、現在、生体高分子分離用連続限外ろ過装置を使いさらに精製を行っている。
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