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1998 年度 実績報告書

超音速機の洋上飛行に伴う海洋環境への影響に関する流体力学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08651086
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 宏二郎  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10226508)

研究分担者 綿貫 忠晴  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00182965)
キーワード超音速輸送機 / 衝撃波 / 気液二相流 / 衝撃波管 / 数値流体力学
研究概要

超音速輸送機は、超音速飛行を洋上に限ることで、ソニックブームによる地上環境への影響を回避することができると考えられている。しかし、洋上で発生した衝撃波あるいはソニックブームが海面に達したとき、それによってどのような圧力場が水中に生じ、それが海洋の環境にどのような影響を及ぼすかについては明らかにされていない。「水面上を伝播する衝撃波によって誘起される水中の圧力場」の特性が流体力学的に明らかにされれば、海洋環境への影響を評価するための基礎データを与えることになる。本研究では、気液分離層における気相衝撃波の伝播特性について実験および数値解析を行った。実験では、衝撃波管装置によって発生させた衝撃波を水槽を持つ測定部に導き上記の様な状況をシミュレートした。数値解析では圧縮性流体/非圧縮性流体統一解法アルゴリズムを用い気液二相一体化解析コードを開発し、実験結果と比較することにより解析モデルの検討を行った。本年度は、実験結果と比較による数値解析の検討が行われ、以下のことが明らかになった。
1. 気液二相一体化解析により、実験で確認された水中圧力変動(先行波、主波、後流波)が再現されること。
2. 実験での水中圧力振動の周期、振幅は解析結果を大きく上回り、定量的一致には問題があること。
3. 定量的一致をみるためには、水の媒質としてのモデル、特に音速の評価を検討し直す必要があること。
4. 気液二相一体化解析との比較では、水中圧力場に関し線形音波方程式がよい近似になっていること。
5. 解析で水深の4倍の波長を持つ水中圧力振動が得られたが、それは水面と壁面の境界条件の設定によること。
本研究では、水面上の衝撃波伝播によって気相より大きな圧力変動が水中に誘起される可能性が実験的事実として示され、超音速機に関する環境問題においては、海中の圧力場も評価の対象に含める必要があることが結論づけられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kojiro Suzuki and Tadaharu Watanuki: "Study on Underwater Pressure Environment Induced by Shock Wave Traveling over Water Surface" Proceedings of JSASS International Sessions in 36th Aircraft Symposium. 721-724 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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