研究概要 |
太陽輻射圧などの外乱によって変形・振動する柔軟宇宙構造物を,構造上に配置したセンサーおよびアクチュエータを用いて,所定の形状に復元し,振動を抑制する制御系についての研究を行った. 1.柔軟宇宙構造物のロバスト制御系の設計法の研究 柔軟構造物の形状と振動を制御するための制御法に関する研究を行った. (1)剰余モードによる制御系のスピルオーバ不安定化を防止するロバストな制御系設計法について研究した.制御モードの閉ループ極を指定領域に配置し,主要な剰余モードの極の安定性を保証するコントローラの数値的設計法について研究し,シミュレーションを行った. (2)パラメータの変動を伴う柔軟構造物のロバストな制御系設計法として,閉ループ系の条件数を小さくするロバスト極配置法について研究した.ロバスト極配置に有効なアクチュエータ配置を効率的に選択する方法,構造と制御系の統合設計法について研究した.ロバスト性の評価指標として,条件数の代わりに新たな指標を統合設計の評価関数として用いることにより,勾配の解析計算が可能となり,計算効率と可解性を大幅に改善された. 2.柔軟構造物の形状制御法の研究 未知外乱が作用するときの柔軟構造物の形状を保持するための制御法についての研究を行った. (1)ランダムな未知入力外乱および観測誤差が存在する場合について、構造物の形状と未知外力を決定する最適推定アルゴリズムの研究を行った. (2)有限個のアクチュエータを用いて形状誤差を最小化するのためのアルゴリズムの研究を行った.
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