本年度は、地下多相流動の3次元逆解析プログラムを用いて2次元モデル数値実験を行い、成果を発表した。また、圧力時間変化率を利用した逆解析計算の高速化技術に関する理論的研究を行った。さらに、実フィールドにおいて不飽和および飽和と条件を変えた注水試験を行ったデータを用いて数値逆解析による実証を試みた。 多相条件を考慮した2次元モデル逆解析数値実験を行った結果、従来に比べて計算時間は4〜10倍程度かかるものの、地下浅部におけるハイドロパルストモグラフィーによる浸透率推定結果の精度が向上する可能性を示した(途中経過を平成9年度応用地質学会にて発表)。さらに、より詳細な数値モデル実験を現在行っている(継続中)。 圧力変化率を考慮した評価関数を用いた逆解析手法の基礎的な部分についてまとめた(投稿中)。また、圧力変化率を組込んだ逆解析手法が多相流動逆解析にも適用可能かどうかについて理論的な検討を行っている(未公表、継続中)。 実際の現場において、飽和条件および不飽和条件と、条件を変えた非定常注水試験を行った計測データを入手し、数値逆解析による比較を行うためのデータ処理法の検討を行い、3次元逆解析による数値実験を試みた(未公表、継続中)。 石油工学におけるハイドロパルストモグラフィによる逆解析手法の問題点、研究の方向性について整理検討した(石技誌にて発表)。
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